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『ラッスンゴレライ』の人気を3C分析で解明3(自社分析編)

前回、ライバル芸人分析(競合分析)を行ったことで、ライバル芸人がなぜ成功したのかを把握することができました。

今回で最終回となります自己分析(自社分析)では、今までのお笑い業界・視聴者分析と(市場・顧客分析)ライバル芸人分析(競合分析)を元にして、視聴者のニーズとの合致ポイントや成功したお笑いネタとの共通項、ライバル芸人との差別化などを見ていくことで、なぜ『ラッスンゴレライ』が人気がでたのか成功要因を導き出します。

自己分析(自社分析)

一般的に自社分析では、企業が保有するヒト、モノ、カネ、情報などの経営資源を棚卸しして、他社と差別化できる自社独自の強みを探り出し、それを元に事業アイデアを構築します。
今回の自己分析であれば、
8.6秒バズーカーを成形する二人(ヒト)、衣装(モノ)、企業バックボーン(カネ)、ネタのアイデア(情報)などをブレイクダウンして8.6秒バズーカーの強みを探り出し、『ラッスンゴレライ』(事業アイデアの構築)を分析すると置き換えられます。

自己分析を行いながら、ライバル芸人の良い点を取り入れていたり、ライバル芸人がカバーできていない領域を取り入れているなど、『ラッスンゴレライ』が成功した要因を探っていきます。

コンビ名「8.6秒バズーカー」の由来

まずは『ラッスンゴレライ』のリズムネタをしている「8.6秒バズーカー」のお二方とコンビ名の由来から見ていきます。
 
「8.6秒バズーカー」は、ボケ担当のはまやねん(イケメン激太り)と、ツッコミ・ネタ作り担当の田中 シングル(細目ガリ)のコンビ結成1年目。
NSCに入学した日に卒業した中学のグラウンドに忍び込んで50m競走をして、はまやねんが8.6秒という記録を出したことから「8.6秒」、これにインパクトがありそうな言葉だからと「バズーカー」を足してコンビ名を付けたとのこと。ちなみに武器の名称はバズーカが正式だが、二人とも「バズーカー」と思っていたことから『8.6秒バズーカー』というコンビ名になったらしい。
 
衣装は赤い服に黒いネクタイ、サングラスという姿が「8.6秒バズーカー」の基本スタイル。目立ちたいからこの衣装にしたとのことで、服屋で偶然見つけたこの衣装を購入したという。
 

コンビ名・衣装をライバル芸人3組と比較

「8.6秒バズーカー」のお二方はコンビ名と衣装を前述したように語っていますが、他のライバル芸人3組と比較することで何が優れているのか劣っているのかが一目瞭然となります。まずは下記の表を見てみましょう。
  コンビ名の特徴 衣装の特徴
8.6秒バズーカー 理由はわからないが50m走のタイム「8.6秒」とインパクトのある「バズーカー」を組み合わせた造語 目立ちたいという理由から、赤い服に黒いネクタイ、サングラスというスタイル
オリエンタルラジオ 互いに持ち込んだ「オリエンタル」と「ラジオ」を組み合わせた造語。「オリラジ」の略称で親しまれている 私服に近いラフな格好で特徴的な衣装ではない
藤崎マーケット 互いの頭文字を組み合わせた造語 白ランニング・黒短パン・白ヘアバンドのエクササイズスタイル
COWCOW COW COWというハウスユニットから採った お揃いのカツラと白シャツ・黒ズボンといった体操のお兄さん風の格好

ここで優劣の基準が必要になりますが、お笑いという観点から「視聴者の記憶に残る」かどうかを基準とします。順位をつけるとしたら下記のようになりました。

<コンビ名>
1位:8.6秒バズーカー
2位:オリエンタルラジオ
3位:藤崎マーケット
4位:COWCOW

1位と2位は微妙な差ですがインパクト重視なので1位「8.6秒バズーカー」、2位「オリエンタルラジオ」となりました。4位の「COWCOW」だけ他のユニット名から付けたためあまり考えられておらず、英語表記でわかりづらいため4位確定。残った「藤崎マーケット」が3位となっています。視聴者に印象を残すインパクトだけでなく、ずっとそのコンビ名で続けていくので思いなどが入っているコンビ名は視聴者に愛されると思います。

<衣装>
1位:8.6秒バズーカー
2位:藤崎マーケット、COWCOW
4位:オリエンタルラジオ

インパクト重視なので文句なしで1位は「8.6秒バズーカー」、2位はほぼ同じスタイルなので「藤崎マーケット」「COWCOW」。4位はフリースタイル過ぎて衣装自体ではインパクトを残していないため「オリエンタルラジオ」という結果になりました。やはり赤や黄色は目立つし印象に残りやすい。一発屋と言われながらも未だにダンディ坂野がCMに出ているのはそういうことなのだろうw
しかもサングラスって…、「あぶない刑事」を彷彿させるのも記憶の連鎖なのだろう。そこまで計算しているかはわからないが、視聴者の記憶に残るコンビ名と衣装であることは間違いないでしょう。

 

二人のプロフィールから読み解く

さらにお二方のプロフィールを見ることでどのような趣味・趣向なのかがわかり、それが『ラッスンゴレライ』の起源になっていると推測します。それぞれ見ていきましょう。
 
はまやねん
  • 担当:ボケ
  • 血液型:A型
  • 趣味:スノーボード、自転車、野球観戦
  • 特技:野球
  • その他:かつてイケメンで他校にファンクラブもあったが、大学二回生の頃20kg激太りした
 
見た目はパワフルそうなボケ担当。趣味・特技からスポーツ好きということはわかるが、現在太っていることからストイックではなく、欲求をコントロールするのが苦手で肉食タイプと推測する。但し、A型男子なので基本的には真面目で責任感が強く努力家であるため、相方次第で化ける可能性があるタイプとも言える。
 
田中 シングル
  • 担当:ツッコミ、ネタ作り
  • 血液型:B型
  • 趣味:音楽、スケートボード、サッカー
  • 特技:ギター、バンド
  • その他:観葉植物が好き。小学生、中学生時代はサッカー部に所属
 
8.6秒バズーカーの司令塔でネタ作り担当。趣味・特技から音楽が好きということがわかり、リズムネタを採用したのも頷ける。(クマムシやどぶろっくのように歌ネタにしなかったのも理由はあったであろう。)また観葉植物好きから癒しさ・優しさが連想でき性格も草食タイプっぽいが、B型男子なので得意な分野では個性や才能を発揮して成功する素質を持っていると推測する。
 
Wikipedia(最終閲覧日:2015年3月16日)
http://ja.wikipedia.org/wiki/8.6秒バズーカー
 

『ラッスンゴレライ』はどのようにして作られたか

まずは、なぜ『ラッスンゴレライ』というタイトルにしたのかが疑問に浮かびますが、これ自体には何の意味もない言葉とのことです。お二方曰く、響き的に面白く覚えやすい言葉を選んだとのこと。
 
私の見解は、まず面白い言葉をたくさん挙げてその中から絞って変化させたと推測しています。その中に、画家の「ラッセン」と動物の「ゴリラ」があり、繋ぎ合わせたのが『ラッセンゴリラ』。これをさらに変化させて『ラッスンゴレライ』になったのかと。人はまったく聞いたことのない言葉だとすぐインプットされない脳のメカニズムだと聞いたことがあるのですが、知っている言葉だと多少崩れた言葉でもなんだこれ?と思いながらもインプトできるのだと思います。なので日本語にはない言葉や意味だとしても、印象に残りやす言葉だったのかと思います。
 
ちなみに、Google翻訳だと「Rassun Goree Rye」と翻訳され、左からイタリア語、スワヒリ語、英語で構成された造語となっているが、当然意味のない言葉となっています。
 

『ラッスンゴレライ』の歌詞を読み解く

『ラッスンゴレライ』の歌詞を見ることで人気が出た理由がわかると思いますので、歌詞を見ながら読み解いていきます。
 
【歌詞】
(はまやねん1) ラッスンゴレライ!フー!×2
(はまやねん1) ラッスンゴレライ説明してね
 
(田中シングル1)いや、ちょと待ってちょと待ってお兄さん
(田中シングル1)ラッスンゴレライってなんですの?
(田中シングル1)説明しろと言われても意味わからんからできませ~ん
 
(はまやねん2) ラッスンゴレライ!フー!×2
(はまやねん2) 昨日の晩飯、ラッスンゴレライ
 
(田中シングル2)いや、ちょと待ってちょと待ってお兄さん
(田中シングル2)ラッスンゴレライって食べ物なん?
(田中シングル2)晩飯言うてもジャンルは広い、肉、さかな、野菜どれですの?
 
(はまやねん3) ラッスンゴレライ!フー!×2
(はまやねん3) 飼ってる犬がラッスンゴレライ
 
(田中シングル3)ちょと待って、ちょと待ってお兄さん、
(田中シングル3)嘘はついたらいけません。
(田中シングル3)飼ってる犬がとか言うてたけどお兄さん犬、こうてへんやん
 
(はまやねん4) キャビア、フォアグラ、トリュフ、
(はまやねん4) スパイダーフラッシュローリングサンダー!
 
(田中シングル4)いや、ちょちょちょっと待て、お兄さん、
(田中シングル4)ちょっとー!お兄さん!ちょっとラッスンゴレライちゃいますのん?
(田中シングル4)意味わからんからやめて言うたけど、もうラッスンを待ってまっすん
 
(はまやねん5) スパイダーフラッシュローリングサンダー!×2
(はまやねん5) 電車に乗るときスパイダーフラッシュローリングサンダー!
 
(田中シングル5)いや、ちょちょちょっと待て、お兄さん!
(田中シングル5)だからラッスンゴレライ言うてーなぁ。
(田中シングル5)スパイダーフラッシュローリングサンダー、
(田中シングル5)プロレス技かなんかですかい?
 
(はまやねん6) スパイダーフラッシュローリングサンダー!×2
(はまやねん6) サウジアラビアの父さんと、インドから来たお母さんの
(はまやねん6) 間に生まれたお前の名は、ラッ!スン!ゴーレーライ!
 
(田中シングル6)ちょっと待ってちょっと待ってお兄さん
(田中シングル6)俺、サウジとインドのハーフちゃう。
(田中シングル6)日本の父、日本の母、間に生まれし俺はジャパニーズピーポー!
 
(はまやねん7) 飽きたからこれでもう終わり!
 
(田中シングル7)ちょっと待ってちょっと待ってお兄さん
(田中シングル7)これで終わりかお兄さん~
 
<解読>
はまやねん1:いきなり『ラッスンゴレライ』を連発して相方に無茶ぶり
 
田中シングル1:『ラッスンゴレライ』なんて聞いたことないからわからないと反発
 
はまやねん2:そこで、「昨日の晩飯」が『ラッスンゴレライ』と無茶ぶり
 
田中シングル2:晩飯と言われても幅広いからジャンルは何?と聞き返してみる
 
はまやねん3:しかし、質問を聞き流し、そのまま「飼っている犬」が『ラッスンゴレライ』とさらに無茶ぶり
 
田中シングル3:最初の質問を忘れたかのように、犬飼ってないじゃんとツッコミ
 
はまやねん4:思い出したかのように食べ物ネタで返しつつ、ここでは『ラッスンゴレライ』ではなく、『スパイダーフラッシュローリングサンダー!』。ずっと『ラッスンゴレライ』だと飽きるので違うフレーズを3回目に入れてきたのはナイス!
 
ちなみに、Google翻訳だとすべて英語で「Spider flash Rolling Thunder」と表示され、「クモから光り轟く雷鳴」と翻訳。(※決して、アリスの「冬の稲妻」の歌詞にある「You are ローリングサンダ~ あ~あ~」からきているわけではない)おそらく、『ラッスンゴレライ』と同様に知っている言葉を繋ぎ合わせた造語だと思われる。
 
田中シングル4:『ラッスンゴレライ』じゃないの?とツッコミ。最初に意味がわからないと言いつつも、既に『ラッスンゴレライ』って何なのか気になっている状況
 
はまやねん5:さらに焦らして、2度目の『スパイダーフラッシュローリングサンダー!』
 
田中シングル5:だから『スパイダーフラッシュローリングサンダー!』ではなく『ラッスンゴレライ』と言ってと懇願しているにも関わらず、プロレス技?と聞いてみる
 
はまやねん6:『スパイダーフラッシュローリングサンダー!』と言いつつも、「サウジアラビアとインドのハーフの名前」が『ラッスンゴレライ』と3度目の『ラッスンゴレライ』ネタ。最後に戻さないと『ラッスンゴレライ』ネタでなくなるのでこれで万事終了W
 

人気に導いた理由

なぜ『ラッスンゴレライ』は人気がでたのか、今までの流れを踏まえていくつか理由を挙げてみた。

  1. 起承転結がありわかりやすい構成
  2. 『ラッスンゴレライ』という聞いたことがあるようでない言葉を取り入れた
  3. ネタの進むテンポが良い
  4. 『ラッスンゴレライ』と異なる言葉を中盤に持ってきたことで飽きさせない
  5. 意味のある言葉ではないので無数のパターンがあり飽きさせない
  6. ネタの内容が身近で聞いたことのない言葉との組み合わせで新鮮
  7. リズムネタでマネしやすい
  8. 早めの段階でYouTubeやTwitterなどのソーシャルメディアでネタを露出
  9. 有名人にマネしてもらって本人たち以外でネタを露出
  10. 同じリズムネタ先輩芸人を巻き込んでネタを露出
 
まず、他のライバル芸人のネタと共通していることは「ネタの進むテンポが良い」「リズムネタでマネしやすい」という点が挙げられるだろう。これはリズムネタを取り入れた時点で得られる良さだろう。
しかし、『ラッスンゴレライ』は他のライバル芸人のネタにはない要素をネタに取り入れた点とメディア展開がうまかった点が一気に人気が出た理由だと思われる。お笑いに限らず、今までにないものを生み出すにはアイデアだけでなく、リサーチ能力や視聴者に認知してもらうための告知能力等が必要な時代になっているのだろう。
 

自己分析(自社分析)のまとめ

最終回は「コンビ名の由来」「コンビ名・衣装」「プロフィール」「歌詞」などから自己分析を行いました。コンビ名や衣装、プロフィールに関してはネタに直接関係するものではありませんが、『ラッスンゴレライ』を生み出したコンビがどういう人たちなのかを知ることで見えることがあると仮説し分析しました。また「歌詞」を読み解くことで、『ラッスンゴレライ』の人気の理由がわかったのではないでしょうか。

 

まとめ

3回に亘って3C分析を使って『ラッスンゴレライ』の人気が出た要因を探ってきましたがいかがだったでしょうか。今回は単純に『ラッスンゴレライ』の人気の理由を知りたかったということと、3C分析をわかりやすく皆さんに理解してほしいという2つの趣旨の元書き下ろした内容となっています。

最初にも前述した通り、3C分析は企業のマーケティング戦略を立てる際に使われるフレームワークなので全てを取り入れることはできませんでしたが、3C分析ってどう使えば良いのか知らなかった、このように使うこともできるんだと仕事等に活用していただければ幸いです。

今後もわかりやすくマーケティング関連やアクセス解析関連などを書いていきますので、読んでいただければと思います。

 

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